コレステロールに悩む人

コレステロールに悩む人

☆コレステロールの体での役割
悪玉コレステロール・善玉コレステロールといった各種別の体内での役割を解説します。

 

◎重要な役割もあるコレステロール
「コレステロールは健康を害するもの」と言ったイメージがありますが、コレステロールにも、きちんと体内での役割があり、ゼロになって良い物質ではないのです。では、ここで「コレステロールがどのような物質なのか?」を解明するとともに、健康を維持するためにもコレステロールの悪い面及び悪影響を受けないようにするための、正しい知識をお届けしましょう。

 

『コレステロール』は脂質の一種で、炭水化物・タンパク質などと同様に栄養素の一つです。脳の神経細胞をはじめ、体内の細胞を守るための膜を構成する原料になるのがコレステロールです。人体にとって必要な物質なのです。

 

『コレステロール』は脂溶性ビタミンと呼ばれる種類のビタミンを活用するためにも必要な栄養素です。視力維持に役立つビタミンA、活性酸素から体を守るビタミンE、骨の健康を守るビタミンDなどの脂溶性ビタミンはコレステロールとの関連が深いのです。

 

その中でもビタミンDは、日光を浴びることによって体内で合成される性質があり、そのための原料になるのがコレステロールです。コレステロールから変化した物質の7-デヒドコレステロールに紫外線が作用することで合成されるのがビタミンDなのです。

 

男性ホルモン・女性ホルモンといった性ホルモンの合成にも『コレステロール』が…。【コレステロールが無ければ人間は生きられない】と表現した方が良いくらいですね。

 

◎コレステロールの種類
皆さんも『コレステロール』には善玉と悪玉の区分があることは、ご存知かと思います。しかし、この区分けは目安であり、必ずしも正しい区分とは言えません。単純に悪玉コレステロールがゼロになり、善玉コレステロールが増えれば良いものでもないのです。

 

実は『コレステロール』には非常に多くの種類があり、役割がそれぞれ異なっていますので、一概に「どれが良くて、どれが悪い」と片付けられるものではないのです。それでは、コレステロールの種類について詳しく見ていくことにしましょう。

 

『コレステロール』というのは血液中にそのままの状態で存在しているわけではありません。アポタンパク質と呼ばれる種類のタンパク質と結合した状態になっているのです。この『コレステロール+アポタンパクの結合物質』をひっくるめて?リポタンパク?と呼びます。このリポタンパクという形になって、初めて脂質であるコレステロールが血液中で安定して存在出来るのです。リポタンパクとなった際の大きさによって、善玉コレステロール・悪玉コレステロールに区別されます。

 

 

●コレステロールの種類解説
高比重リポタンパク(High Density Lipoprotein/HDL)
これが善玉コレステロールのことです。血液中に存在しており、体内のあちこちにあるコレステロールを肝臓へ運ぶ役割をします。血管の内側に溜まってる悪玉コレステロールを除去して動脈硬化を防ぎ、高脂血症を防ぐのに役立ちます。要するにコレステロールを回収するための存在です。

 

低比重リポタンパク(Low Density Lipoprotein/LDL)
これが悪玉コレステロールのことです。肝臓にあるコレステロールを体内の各組織に運ぶための物質です。コレステロールは脂質の一種で、細胞膜の材料になるもので、必要な脂質を体内に運ぶ役割をしていますので生きるために必要な物質の一つなのです。

 

ただ、運ぶ際にコレステロールの一部を血管壁に付着させて、血管を詰まらせてしまうため動脈硬化・虚血性心疾患などの病気を誘発させてしまう事があるので、悪玉と呼ばれているのです。低比重リポタンパクが増えすぎるのは問題がありますが、減り過ぎも健康を害します。

 

中間低比重リポタンパク(Intermediate Density Lipoprotein/IDL)
コレステロールと中性脂肪を持っていたリポタンパクが中性脂肪を失う状態になることを指します。 あくまでも中性脂肪を失っていく途中の状態なので、中間比重のまま長く存在することはありません。ただし、メタボリックシンドロームの方はリポタンパク質リパーゼ(LPL)という代謝酵素の活性が低下するためこのIDLが正常に代謝されなくなって、いつまでも存在する場合もあります。

 

超低比重リポタンパク(Very Low Density Lipoprotein/VLDL)
非常に比重の低いリポタンパクです。コレステロールと中性脂肪(トリグリセリド)を含有し、筋肉などの末端組織にエネルギー源となる脂質を供給します。

 

カイロミクロン
最も小さいリポタンパクの名称です。コレステロールと中性脂肪(トリグリセリド)を含有し、腸で吸収した脂質を肝臓へ運んで行く役割をします。

 

 

以上のように、一般的にコレステロールと呼ばれている物質には多くの種類があることが、お分かりになったと思います。単純に善玉コレステロール・悪玉コレステロールという区分だけで片付けられるものではないのです。健康維持のためにも、本来必要な役割だけを果たしてくれるよう、全てのコレステロール値を正常範囲内へ……。

 

※ 疫学的な統計として、コレステロールが低すぎる人は脳卒中になりやすい……といったデータもあります。これを機会に≪コレステロールを下げるべき≫という認識を改め≪コレステロールを適正値にする≫という正しい考えを理解していきましょう。

 

●悪玉コレステロールが増えすぎると…?
一般的に認識されている悪玉コレステロールが増加すると健康に良くない≠ニいう考えが決して間違っているというわけではありません。血液中に悪玉コレステロールと呼ばれるLDL濃度が上昇すると、高コレステロール血症になって、最終的には循環器疾患や冠動脈疾患の主な原因であるアテローム性動脈硬化症を引き起こしてしまいます。

 

また、LDLは酸化すると血管の動脈壁で炎症を起こし、さらにマクロファージを泡沫化して、血管を詰まらせます。動脈壁の柔軟性がなくなって動脈硬化を促進してしまいます。万病の元ともいわれてる動脈硬化を引き起こすことを鑑みれば、悪玉コレステロールを正常値に留めることは、中高年の健康維持には欠かせない、非常に大切なことと言えます。

 

◎コレステロールにも重要な役割が……。
コレステロールは、脂質を体の各所に運搬するといった重要な役割を持っています。単純に有害物質であり、なくしてしまった方が良い≠ニいうような物質ではありません。

 

※ 闇雲に恐れず、コレステロールという物質について正しい知識を持つことが大切です。この機会にコレステロールという物質についての知識を深め、日々の健康維持について考えていきましょう。